書籍の表紙は、中身の要約ではありません。読者が「自分に関係がある」と判断するための1秒の材料です。

会社の本では、表紙の役割が2つに分かれます。ひとつはAmazonの一覧に並んだときに選ばれること。もうひとつは、商談や展示会で手渡したときに会社の印象を裏切らないことです。本記事では、その決め方と、Amazon KDPで求められる具体的な仕様を整理します。

この記事で分かること:

  • 表紙を決めるときの判断基準
  • 電子書籍とペーパーバックで違うデータ要件
  • 背幅の計算方法と、入稿前の確認点

表紙が果たす2つの役割

場面 見え方 効くもの
Amazonの検索結果・一覧 幅数十ピクセルのサムネイル 太く短いタイトル、強いコントラスト
商品ページ 拡大画像 情報量、信頼感
商談での手渡し 実物の手触り 装丁の質、社名との整合
展示会のブース 積まれた状態の表1 遠目での視認性

サムネイルで負ける表紙は、拡大されません。 まずは縮小した状態で成立させ、そのうえで拡大時の情報を足す順番で作ります。

作ったデザインは、必ず幅100ピクセル程度に縮小して確認してください。タイトルが読めない、写真が何か分からない、色が沈む。この3つが起きていたら作り直しです。

何を載せるか

必ず載せるもの

  • タイトル(サムネイルで読める大きさ)
  • 著者名

載せるか決めるもの

  • サブタイトル(拡大時に読めればよい)
  • 社名・ロゴ(手渡し用途なら有効)
  • 帯に相当する要素(実績・推薦)

載せないほうがよいもの

  • 章タイトルの列挙
  • 長い説明文
  • 根拠を示せない数値や順位

タイトルとサブタイトルの役割分担は明確にします。タイトルで読者を止め、サブタイトルで内容を確定させます。 両方に同じことを書くと、情報量が半分になります。

電子書籍(Kindle)の表紙データ

Amazon KDPで電子書籍を出す場合の要件です。

項目 要件
推奨サイズ 高さ2,560ピクセル × 幅1,600ピクセル
最小サイズ 高さ1,000ピクセル × 幅625ピクセル
最大サイズ 高さ・幅とも10,000ピクセル以内
縦横比 1.6:1以上が理想
ファイル形式 TIFF(.tif/.tiff)またはJPEG(.jpeg/.jpg)
ファイルサイズ 50MB未満
解像度 72dpi。品質を優先するなら300PPI
カラー RGB

表紙が白背景の場合、境界が分からなくなることがあります。KDPのヘルプでは、3〜4ピクセルの細い薄灰色の枠線を入れて輪郭を示す方法が案内されています。

ペーパーバック(紙)の表紙データ

紙の本では、要件がまったく違います。

項目 要件
ファイル形式 PDF 1ファイル
構成 裏表紙・背表紙・表表紙を1つの画像にまとめる
裁ち落とし 仕上がり線の外側に3.2mm(0.125インチ)の余白
解像度 すべての画像が300DPI以上
カラー CMYK(特色は使わずCMYKに変換する)
カラープロファイル 埋め込まない(想定外の結果になることがある)
ファイルサイズ 40MBを超えないことが望ましい(上限650MB)

裁ち落としを忘れると、断裁後に白い縁が出ます。 背景や写真は、仕上がり線から3.2mm外側まで伸ばしてください。

背表紙の幅を計算する

背幅はページ数で変わります。用紙によって係数が違います。

用紙 背幅の計算式
白の用紙 ページ数 × 0.0572mm
クリーム色の用紙 ページ数 × 0.0635mm

200ページ・白の用紙なら、200 × 0.0572 = 11.44mmです。

背表紙に文字を入れられるのは79ページを超える本だけです。 それ以下では背が細すぎて印刷できません。文字を入れる場合は、背の両端から1.6mm以上の余白を取ってください。断裁の誤差で文字が表紙側に回り込むのを防ぐためです。

KDPは判型とページ数を入力すると正確な寸法を出す表紙計算ツールを公開しています。手計算ではなく、必ずこのツールで出た数値で作ってください。

よくある差し戻しの原因

  • 裁ち落としが足りない
  • 解像度が300DPIに届いていない(Webから拾った画像は特に危険)
  • RGBのまま入稿し、印刷すると色が沈む
  • 背幅がページ数と合っていない(原稿が確定してから背幅を決める)
  • 表紙にバーコードを自分で配置してしまった(KDPが所定の位置に配置します)

背幅はページ数が確定しないと決まりません。 本文の組版が終わってから表紙データを作るのが正しい順序です。先に表紙を完成させると、ページ数が動いたときに作り直しになります。

会社の本ならではの判断

著者名を社名にするか、個人名にするか

著者名 向く場面
個人名(代表者名) 経営者の考えを伝えたい。人として覚えてもらいたい
社名 組織としての知見を示したい。担当者が変わっても使える
個人名+社名の併記 商談で渡す。所属を明示したい

ロゴを入れるか

商談や採用で手渡す本なら、会社の印象と揃っているほうが効果的です。一方、Amazonの一覧で見つけてもらうことが目的なら、ロゴは小さく、テーマの提示を優先します。一覧で並ぶのは競合ではなく、同じテーマの他の本です。

写真を使うか

代表者の顔写真を表紙に入れるかは、目的次第です。経営者本では有効なことが多い一方、ノウハウを扱う本では読者の関心とずれることがあります。使う場合は、撮影者の著作権と本人の同意を確認してください。

当社の対応

当社のAI書籍出版代行は**80万円〜(税抜・表紙デザインを含む)**です。表紙デザインは費用に含まれています。

  • 電子書籍用の表紙画像(JPEGまたはTIFF)
  • 紙で出す場合の表紙PDF(裁ち落とし・背幅込み)
  • サムネイル表示での確認

図表や本文レイアウトも含めて作成します。Amazon KDPへの入稿代行まで対応しますが、出版の完了や販売の成果を保証するものではありません。

費用の詳細はこちら

まとめ

  • 表紙はサムネイルで勝負が決まります。幅100ピクセルに縮小して確認してください。
  • 電子書籍は高さ2,560×幅1,600ピクセルが推奨、JPEGまたはTIFF、50MB未満、RGB。
  • ペーパーバックは裏表紙・背表紙・表表紙を1枚にまとめたPDF、裁ち落とし3.2mm、300DPI以上、CMYK。
  • 背幅はページ数×0.0572mm(白)または×0.0635mm(クリーム色)。背文字を入れられるのは79ページ超の本だけです。
  • 背幅はページ数が確定してから。本文の組版が終わってから表紙データを作ってください。

表紙の方向性が決まっていない段階からご相談いただけます。用途(Amazonでの発見か、手渡しか)をうかがったうえでご提案します。

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参考情報

  • Amazon KDP 電子書籍の表紙画像の必要条件は何ですか?(2026-09-19確認)— 推奨は高さ2,560×幅1,600ピクセル、最小は高さ1,000×幅625ピクセル、縦横比1.6:1以上、TIFFまたはJPEG、50MB未満、72dpi、RGB。白背景の表紙には3〜4ピクセルの薄灰色の枠線を推奨。
  • Amazon KDP ペーパーバックの表紙の作成(2026-09-19確認)— 表紙は裏表紙・背表紙・表表紙を1つの画像に含めたPDF。裁ち落としは外周に3.2mm(0.125インチ)、画像は300DPI以上、CMYK。背幅はページ数×0.0572mm(白の用紙)またはページ数×0.0635mm(クリーム色の用紙)。背表紙に文字を入れられるのは79ページを超える本で、背の端から1.6mm以上の余白が必要。
  • Amazon KDP 表紙計算ツール(2026-09-19確認)— 判型とページ数から表紙データの正確な寸法を算出するツール。

※仕様は改定されることがあります。入稿前に必ず公式ヘルプで最新の要件をご確認ください。