Amazon Kindleは、法人が自社の知見を書籍として届ける手段として使いやすい選択肢です。在庫を持たず、全国どこからでも購入でき、著者である企業に版権が残ります。本記事では、法人がKindleで出版する手順と、事前に知っておくべき条件を解説します。
この記事で分かること:
- 法人がKindle出版する流れ
- 印税70%の具体的な適用条件(価格帯・KDPセレクト・配信コスト)
- AI生成コンテンツの申告義務
KDPとは
KDP(Kindle Direct Publishing)は、Amazonが提供する電子書籍のセルフ出版サービスです。出版社を介さずに電子書籍を出版でき、法人名義での利用もできます。
企業にとっての利点は次の3点です。
- 在庫と流通の負担がない:印刷・倉庫・配本が不要です。
- 版権が自社に残る:著者である企業が権利を持ち続けます。
- 見つかり続ける:Amazon上に残るため、商談後や採用面談後に検索してもらえます。
一方で、書店の棚には並びません。全国の書店流通を目的とする場合は、書店流通を含む企業出版プランや商業出版を検討してください。
法人がKindle出版するまでの手順
1. KDPアカウントを作る
Amazonアカウントを用意し、KDPに登録します。法人として出版する場合は、登録情報・支払い情報・税務情報を法人として設定します。
2. 原稿をつくる
テーマと読者を決め、章立てを作り、原稿を執筆します。当社では生成AIで原稿を作成し、プロ編集者が品質を確認する方式で進めます。詳しい手順はAIで企業出版する全手順で解説しています。
3. 表紙と本文データを用意する
表紙は購入判断に直結します。本文はKDPの推奨形式に整えます。図表が多い場合はレイアウトの崩れに注意が必要です。
4. 出版情報を登録する
書名、著者名、内容紹介、キーワード、カテゴリを設定します。このとき、AI生成コンテンツに関する申告も行います。
5. 価格とロイヤリティを設定する
35%か70%かを選び、希望小売価格を設定します。条件は次章のとおりです。
6. 出版する
Amazonの審査を経て販売が始まります。
印税70%の条件を正確に把握する
「Kindleは印税70%」という説明をよく見かけますが、無条件ではありません。KDP公式ヘルプに基づく条件は次のとおりです。
| 35%ロイヤリティ | 70%ロイヤリティ | |
|---|---|---|
| 日本での希望小売価格 | 99円〜20,000円 | 250円〜1,650円 |
| KDPセレクトへの登録 | 不要 | 日本向け販売では必要 |
| 配信コストの差し引き | なし | あり(ファイルサイズに応じた金額) |
つまり日本で70%を選ぶ場合、価格を250円〜1,650円に収め、KDPセレクトに登録し、配信コストを差し引いた金額が手取りになります。企業出版では「売上を最大化する」より「読んでほしい人に届ける」ことが目的になることが多いため、価格設定は目的から逆算して決めてください。
KDPセレクトの独占範囲
KDPセレクトは90日間の登録プログラムで、登録期間中は電子版をKindleストアの独占販売とする必要があります。ただし独占の対象は電子版だけです。
- 電子版を他の電子書籍ストアで売ることはできません
- 印刷版・音声版・動画などは他の場所で販売できます
- 展示会や商談での紙の書籍の配布も問題ありません
登録期間の開始から3日以内であれば取り消しが可能です。企業出版で紙の書籍を併用する場合でも、KDPセレクトの利用は妨げられません。
AI生成コンテンツの申告は必須
KDPでは、AIが生成したテキスト・画像・翻訳を含む本を出版または再出版する際、その旨の申告が必要とされています。
区別は次のとおりです。
- AI生成(要申告):AIツールを使って実際のコンテンツを作成した場合。その後に大幅に編集していても申告が必要です。
- AI支援(申告不要):自分で作成したコンテンツを、AIツールで推敲・改善・誤り確認した場合。
生成AIに原稿を書かせる企業出版は、前者に該当します。申告したからといって出版できなくなるわけではありませんが、申告せずに出版することは規約に反します。当社の支援では、AI生成コンテンツとして申告する前提で入稿を代行します。
なお、AI生成かどうかにかかわらず、著作権法およびKDPのコンテンツガイドラインを満たす必要があります。
費用と当社の支援範囲
KDPへの出版自体に費用はかかりませんが、原稿・図表・表紙の制作には工数が必要です。当社のAI書籍出版代行は**80万円〜(税抜・表紙デザインを含む)**で、企画設計から入稿代行まで一括で対応します。
- ヒアリング・企画設計
- AIを活用した執筆とプロ編集者による品質確認
- 図表・表紙デザイン
- KDPへの入稿代行(AI生成コンテンツの申告を含む)
- 少部数の印刷・製本
まとめ
- KDPは法人名義で利用でき、版権は著者である企業に残ります。書店流通は含まれません。
- 日本で印税70%を選ぶには、価格250円〜1,650円とKDPセレクトへの登録が必要で、配信コストが差し引かれます。35%なら99円〜20,000円で独占条件もありません。
- KDPセレクトの独占は電子版のみで、紙の書籍は別途配布・販売できます。
- AIが生成したコンテンツを含む本は、KDPへの申告が必要です。
- 原稿執筆は最短1週間が目安です。出版完了までの期間や売上を保証するものではありません。
自社の知見をKindleで届けたい方は、企画段階からご相談ください。
参考情報
- Amazon KDP ヘルプ:ロイヤリティ(2026-09-17確認)— 35%・70%の選択肢、日本向け販売での70%適用条件、配信コストの差し引き。
- Amazon KDP ヘルプ:電子書籍の希望小売価格の要件(2026-09-17確認)— 日本での70%は250円〜1,650円、35%は99円〜20,000円。
- Amazon KDP ヘルプ:KDP セレクト(2026-09-17確認)— 90日間の登録期間、電子版の独占条件、印刷版・音声版は対象外、開始3日以内の取り消し。
- Amazon KDP ヘルプ:AI 生成コンテンツ(2026-09-17確認)— AI生成コンテンツの申告義務と、AI支援との区別。