社内に編集者もデザイナーもいない会社が、本を1冊作ろうとすると、外部のパートナーが必要になります。問題は、どこで探せばよいか、そして発注する前に何を確認すればよいかが分からないことです。

編集者・デザイナー・印刷会社は、探し方も確認すべき点もそれぞれ違います。本記事では、この3種類のパートナーについて、探し方の具体例と発注前の確認点を整理します。

この記事で分かること:

  • 編集者・デザイナー・印刷会社、それぞれの探し方
  • 発注前に確認しないと後で困る点
  • 個別に手配する場合と、一括で依頼する場合の違い

探すパートナーは3種類、役割が違います

書籍の制作には、大きく分けて3種類の外部パートナーが関わります。

種類 役割 単体で頼めること
編集者 構成の設計、原稿の整え、事実確認の補助 原稿の編集・校正のみ
デザイナー 表紙・本文レイアウト・図表の制作 デザインデータの制作のみ
印刷会社 紙の本の印刷・製本 完成データがある前提での印刷のみ

3種類は独立した専門職です。編集者にデザインを頼めませんし、デザイナーに原稿の事実確認は頼めません。この前提を知らずに1人に何でも頼もうとすると、探すこと自体でつまずきます。

編集者の探し方

書籍編集の経験がある編集者は、次のような経路で見つかります。

  • 出版社出身のフリーランス編集者(紹介や編集者向けの登録サービス経由)
  • ライティング・編集の受発注を仲介するクラウドソーシングサービス
  • 既に本を出した知人・取引先からの紹介

確認すべきは、雑誌やWeb記事ではなく、書籍1冊を通しで編集した経験があるかです。書籍編集は、章をまたいだ構成のつながりや、全体の文体統一を見る作業が中心になり、記事単位の編集とは求められる視点が異なります。

個人のフリーランス編集者に依頼するときのリスク

フリーランスの編集者は、社内に編集機能を持たない会社にとって心強い存在ですが、次の点はあらかじめ確認しておく必要があります。

  • 他の案件と並行しているため、対応できる時期に制約があること
  • 体調不良や急な事情で対応が止まった場合の代わりがいないこと
  • 連絡手段が限られ、返信のペースが読みにくいことがあること

個人1人だけに依頼を集中させる場合は、進行が止まったときの代替手段を先に考えておくことをおすすめします。編集会社や、複数の編集者を抱える事業者であれば、担当者に何かあっても案件自体は止まりにくくなります。

デザイナーの探し方

表紙・本文デザインは、次のような探し方があります。

  • 書籍の装丁を専門にするデザイナー・デザイン会社
  • クラウドソーシングサービスでの公募・コンペ形式
  • 印刷会社が提携しているデザイナーを紹介してもらう

表紙は書店やAmazonの一覧で読者の目に触れる部分です。ポートフォリオを見るときは、Webデザインの実績ではなく、書影(表紙画像)としての実績を確認してください。 画面上での見え方と、印刷物・サムネイルでの見え方は、意識すべき点が異なります。表紙の要件そのものは会社の本の表紙デザイン|Kindleと紙で違う要件と決め方にまとめています。

依頼の形式には、1人のデザイナーを指名して進める方法と、複数案を出してもらうコンペ形式があります。コンペ形式は選択肢を比較できる一方、採用されなかった案にも一定の費用が発生することがあります。 どちらの形式か、費用がどう発生するかは、依頼前に確認してください。

印刷会社の探し方

紙の本を作る場合、印刷会社の選び方は部数によって変わります。

  • 少部数(数十〜数百部程度)に対応する地域の印刷会社、オンデマンド印刷を扱う会社
  • まとまった部数を刷る場合は、書籍印刷の実績がある印刷会社

すべての印刷会社が少部数に対応しているわけではありません。問い合わせの段階で「何部から対応可能か」を先に確認してください。 断られてから探し直すと、日程が押します。紙の本の作り方の選択肢は会社の本を紙でも出す|ペーパーバックと少部数印刷の選び方で扱っています。

発注前に確認すべき点

パートナーが決まったら、契約前に次の点を確認します。

確認項目 確認する理由
見積もりに含まれる作業の範囲 「編集一式」のような曖昧な項目名だと、後から追加費用が発生しやすい
修正の対応回数 初校・再校で何回まで無料か、それ以降は有料かを事前に決める
納品データの形式と権利 デザインデータの利用範囲や、元データ(編集可能な形式)が御社に渡るのかを確認する
納期と連絡の頻度 個人の編集者・デザイナーは他案件と並行していることが多く、連絡が遅れる場合がある
過去の類似実績 似た目的(社史、採用ブランディングなど)の本を手がけた経験があるか
支払いのタイミング 着手金・中間金・納品後の残金など、いつ何割を支払うか

このうち特に見落とされやすいのが、修正回数と納品データの権利です。 口頭の説明だけで進めず、見積書か契約書に条件を明記してもらってください。書面化を依頼しにくいと感じる場合は、確認事項をメールで送り、返信をもって合意の記録とする方法でも構いません。

よくある失敗の型

外部パートナー探しでよく見られる失敗は、次のような型です。

  • 実績のよさだけで選び、見積もりの範囲を確認しないまま契約し、初校の後で追加費用を提示される
  • 修正回数の上限を決めずに進め、御社側の確認が長引いた結果、想定より多く費用が発生する
  • デザインの元データを受け取る取り決めをしておらず、後から表紙の一部だけ直したいときに対応できない
  • 印刷会社に部数を確認せずに依頼し、少部数では対応できないと後から断られる

いずれも、契約前の確認を省略したことが原因です。 実績や人柄への信頼と、条件の書面化は別の話として扱ってください。

個別に頼む場合と一括で頼む場合の違い

編集者・デザイナー・印刷会社をそれぞれ個別に探す方法と、制作を一括で請け負う事業者に依頼する方法があります。

個別に探す 一括で依頼する
窓口の数 パートナーの数だけ増える 1つで完結する
費用の比較 個別に見積もりを取って比較できる まとめた金額で提示される
調整の手間 御社が各パートナー間の連携を管理する 依頼先が調整する
実績の見極め 御社が個別に確認する 依頼先の実績をまとめて確認する

個別に探す方法は、パートナーごとに比較検討できる一方、御社側の調整の手間が増えます。編集・デザイン・印刷会社を探す時間が取れない場合は、一括で依頼する方法を検討する価値があります。

判断の目安は次のとおりです。

  • 社内に制作物の発注経験があり、パートナー選定に時間をかけられる → 個別に探して比較する
  • 発注経験が少なく、まず1冊を形にすることを優先したい → 一括で依頼する
  • すでに付き合いのあるデザイナーや印刷会社があり、編集だけ探したい → 編集者のみ個別に探す

当社のAI書籍出版代行は、編集・図表・表紙デザイン・Amazon KDPへの入稿・少部数の印刷までを1社で担当し、**80万円〜(税抜・表紙デザインを含む)**でご案内しています。他社の制作プランとの違いは企業出版サービスの比較と選び方|対応範囲・費用・権利を確認するにまとめています。

まとめ

  • 編集者・デザイナー・印刷会社は別々の専門職で、探し方も確認点も異なります。
  • 編集者は書籍1冊を通しで編集した経験、デザイナーは書影としての実績を確認してください。
  • 印刷会社は少部数に対応しているかを問い合わせの段階で確認してください。
  • 発注前は、見積もりの範囲・修正回数・納品データの権利を必ず確認してください。
  • 個別に探す手間を減らしたい場合は、一括で依頼する方法もあります。

自社で探すべきか、まとめて依頼すべきか。今の体制と目的に合わせてご相談いただけます。

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