営業活動でどれだけ接点を作っても、こちらから声をかけない相手には届きません。本を出したことをきっかけに、商工会議所や業界団体、取引先の勉強会から声がかかることがあります。これは営業とは逆方向、相手から来る流入経路です。

ただし、本を出せば自動的に依頼が来るわけではありません。本記事では、出版が講演依頼につながる仕組みと、依頼を受けやすくするために自分から動く部分を整理します。

この記事で分かること:

  • 営業活動と講演依頼が、経路として何が違うか
  • 依頼元が本のどこを見て声をかけるか
  • 実績がない状態で打診するときの伝え方

営業活動と何が違う経路か

営業は、自分から相手にアプローチする活動です。一方、講演依頼は、相手が先にこちらを見つけて声をかけてくるという点で経路が逆になります。

営業活動 講演依頼
動きの起点 自社から相手へ 相手(主催者)から自社へ
相手が見ているもの 提案内容・価格 専門性の裏付け・話せるテーマ
きっかけ 商談・紹介 書籍・過去の登壇歴・記事
効く場面 個別の商談 複数の見込み客に一度に届く場

営業では届かない相手にも、講演という場を通じて一度に接点が持てます。参加者は主催者への信頼をベースに話を聞くため、営業とは異なる形で話を聞いてもらえるのも特徴です。

もう一つの違いは、関係の始まり方です。営業で会った相手は「売り込まれる側」として身構えますが、講演で会った相手は「知見を教えてもらう側」として話を聞きます。同じ内容を説明していても、最初の関係性が違うため、その後の商談につながる際の温度感も変わってきます。この違いを理解しておくと、講演を営業の延長として扱うのではなく、独立した流入経路として設計しやすくなります。

依頼元は本のどこを見ているか

商工会議所や業界団体、金融機関が主催する勉強会では、担当者が社内で「誰を呼ぶか」を提案し、稟議や社内共有を通す必要があります。このとき、本は担当者が社内に説明するための材料になります。「こういう本を出している会社の、こういうテーマの話です」と一言で説明できることが、選ばれやすさに直結します。

そのためには、本のテーマが一目で分かる状態になっている必要があります。テーマが広すぎたり、何の専門家か分かりにくいタイトルだと、担当者は社内説明に使いにくく、候補から外れやすくなります。テーマの絞り方は会社の本のテーマの決め方にまとめています。

「なんでも話せます」という打ち出し方は、実は最も選ばれにくい打ち出し方です。 主催者が探しているのは「このテーマなら、この会社」という具体的な結びつきです。本のタイトルと目次が一つのテーマに絞られているほど、担当者は「うちの勉強会にはこの人だ」と判断しやすくなり、社内提案の文章も書きやすくなります。逆に、複数のテーマを一冊に詰め込んだ本は、どのテーマでも「専門はここまで深くないのでは」と受け取られるおそれがあります。

待つだけでなく、自分から動く

出版した本がAmazonに並んだだけで、依頼が自然に舞い込むとは限りません。多くの場合、最初の数件は自分から候補先に本の存在を知らせる動きが必要です。

  • 取引のある金融機関や商工会議所の担当者に、出版の報告と合わせて本を送る
  • 業界団体の会報・ニュースレター担当に出版の情報を提供する
  • 既存の取引先に「勉強会があれば声をかけてください」と伝える

登壇が実現すると、参加者や主催者からの紹介で次の話が持ち上がることもあります。ただしこれは必ず起きるものではなく、内容が参加者の役に立ったと感じてもらえた場合に起きやすくなる、という程度の関係です。

打診するときに書き添えること

本を送るだけでは、相手は何をどう依頼すればよいか分かりません。打診の際は、次の3点を書き添えると検討してもらいやすくなります。

  • 話せるテーマ:本のどの章・どの範囲を話せるか
  • 想定する聞き手:経営者向けか、実務担当者向けか
  • 想定する時間:30分の紹介枠か、90分の研修枠か

「本を出したので機会があればお声がけください」だけの連絡は、検討する材料が足りず、後回しにされがちです。 上記の3点をあらかじめ添えるだけで、主催者側の検討にかかる時間が短くなります。

最初に打診する先は、すでに取引や面識のある相手から選ぶほうがうまくいきやすくなります。面識のない団体にいきなり本を送っても、担当者が個人として興味を持つ以前に、組織として誰が判断するのかが分からず埋もれがちです。まずは関係のある相手で経験を積み、そこでの評判を足がかりに、面識のない団体へ広げていく順番が現実的です。

実績がない状態での伝え方

登壇経験がまだない状態で依頼を打診する場合、何を実績として示すかで迷うことがあります。ここでの解決策は、登壇歴の代わりに、本の目次そのものを講演構成の提案として使うことです。

状況 伝え方 主催者が判断できること
登壇歴がある これまでの登壇実績を提示 話し方・場慣れの様子
登壇歴がない 本の目次を講演構成案として提示 内容の深さ・構成の完成度

目次があれば、主催者は「45分でこの範囲を話せるか」を具体的に判断できます。「話が上手いかどうか」ではなく「話せる中身があるかどうか」で判断してもらえるのが、本を使った打診の利点です。

ここで避けたい失敗は、テーマを広く見せようとして、本の内容をすべて話そうとする提案にしてしまうことです。1回の講演で本の全章を扱おうとすると、どの章も駆け足になり、参加者の記憶に残りません。目次のうち、その場の聞き手に合う章を2〜3つ選んで提案するほうが、内容の濃さが伝わり、次の依頼にもつながりやすくなります。

なお、実際に登壇が決まった後、会場で配る本の部数や手配については会社の本を紙でも出すで扱っている著者用コピーの仕組みが使えます。招待講演では会場のルールに従う必要があるため、配布の可否は事前に主催者へ確認してください。会場によっては、物販や配布物に事前申請が必要な場合や、主催者側が用意した資料以外の持ち込みを制限している場合もあるため、部数を確定する前に確認しておくと当日になって配れない、という事態を避けられます。

自社主催のセミナーとの違い

本記事で扱っているのは、他社や団体から声がかかって話す場合です。自社がセミナーを主催する場合は、配布のタイミングも当日の進行もすべて自分で決められるという点で条件が異なります。自社主催での使い方は自社が主催するセミナーで、本をテキストとしてどう配るかに整理していますので、目的に応じて使い分けてください。

当社の対応範囲

当社のAI書籍出版代行は**80万円〜(税抜・表紙デザインを含む)**で、ヒアリング・企画設計、AIによる執筆とプロ編集者による品質確認、図表・表紙デザイン、Amazon KDPへの入稿代行、少部数の印刷・製本を担当します。

講演先への打診や紹介の依頼、謝礼の交渉、当日の講演資料の作成は含みません。講演依頼につながるテーマ設定にしたいというご要望があれば、企画段階でその意図を伝えていただくことで、目次の作り方に反映する相談は可能です。実際の打診活動は、御社または御社が依頼するPR会社にお願いしています。

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まとめ

  • 講演依頼は、営業とは逆に相手から声がかかる経路で、複数の見込み客に一度に届きます。
  • 主催者は本の内容を社内説明の材料に使うため、テーマが一目で分かる本ほど選ばれやすくなります。
  • 出版しただけで依頼が来るとは限らず、最初の数件は自分から候補先に知らせる動きが必要です。
  • 登壇歴がなくても、本の目次を講演構成の提案として使えば、内容の深さで判断してもらえます。
  • 自社主催セミナーとは条件が異なるため、目的に応じて使い分けてください。

出版をきっかけに講演の機会を作りたい方は、テーマ設定の段階からご相談ください。

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